なぜない? ウナギの刺身
ウナギには毒がある?
魚介類の調理法と言えば、煮る、焼く、生(刺身)が挙げられますが、ウナギの刺身というのはあまり聞きません。どうしてなのでしょうか?

実は、ウナギの血液(血清)には、「イクチオヘモトキシン」というタンパク質の毒が含まれているからなんです。

この「イクチオヘモトキシン」を大量に摂取すると、下痢、嘔吐、皮膚の発疹、チアノーゼ、無気力症、不整脈、衰弱、感覚異常、麻痺、呼吸困難が引き起こされ、死に至ることもあるといわれています。また、傷口に入ると炎症、化膿、浮腫などが引き起こされ、目に入ると激しい灼熱感を覚えるとともに、結膜炎、流涙、まぶたの腫れが引き起こされます。(厚生労働省-自然毒のリスクプロファイル:魚類:血清毒より)


死に至るとは穏やかではありませんが、その致死量ってどれくらいなんでしょうか?

同じく、厚生労働省-自然毒のリスクプロファイルを見ると、ウナギの血清のLD50(マウス)は、経口投与では約15ml/kgとなっています。

LD50(えるでぃー50)というのは、「Lethal Dose, 50%」の略で、半数致死量のことです。

上記の場合、マウス100匹に経口投与(口から与える)した場合、50匹が死に、50匹が生き残る毒の量が、kg換算で約15mlということになります。

これを人間の体重分かけた量が、その人の半数致死量になるというわけです。例えば、体重が67kgの人の場合は、15ml×67kg=1,005mlで、この量を飲むと死ぬ確率が5割になる(生死をさまよう)ということになります。

1,005mlというと1リットルの牛乳パック約一本分。ウナギの血をこの量飲むことは、まずないでしょう。集めるのも大変ですしね。


この「イクチオヘモトキシン」はタンパク質の毒ですので、 60℃で5分間加熱すると完全に無毒化されます。ウナギ屋さんで食べる、「蒲焼き」、「白焼き」、「肝焼き」、「肝吸い」、「骨せんべい」は加熱してあるので、いくら食べても問題ないということですね。

題名を「なぜない? ウナギの刺身」としましたが、ウナギの刺身をメニューに載せているウナギ屋さんもあって、全くないわけではありません。先に書きましたように、毒があるのは血液中なので、これを完全に洗い出してしまえば刺身でも大丈夫なのです。しかし、それには大変な手間暇がかかるので、ウナギの刺身を供するお店は少ないのでしょう。

ウナギの毒があるのは血液だけではなく、体の表面のヌルヌルした粘液中にも含まれているそうです。

ウナギに触ったり、自分で調理したりということはないとは思いますが、そういう機会があったら、「ウナギの血や粘液に含まれる毒」には十分な注意が必要です。





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